ノロウイルス(Norovirus)

ノロウイルス(Norovirus)

ノロウイルスの感染は、病原体が体内に侵入する事で激しい下痢や嘔吐の症状が現れます。感染の原因が飲食物による場合は食中毒、それ以外の場合は感染性胃腸炎として扱われます。食中毒は食品衛生法で定義されており、食品および器具、包装資材が汚染された事で起きるものに限ります。食中毒と感染性胃腸炎の違いは感染ルートのみで症状予防方法に違いはありません。国内で発生する食中毒の中で最も発生件数が多いのがカンピロバクター食中毒に次いで第2位、患者数では最も多い原因物質です。発生件数も多いですが、食中毒事件1件あたりの患者数が非常に多いのも特徴です。

ノロウイルスは、毎年10月あたりから感染の報告が増え始め、寒く乾燥する11月から翌年2月あたりが流行のピークです。最近では、遺伝子が変異し夏場でも感染が報告されています。乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で感染しますが、重症化する事は少なく、下痢や嘔吐などの症状は、数日から10日程度で自然に回復します。但し、抵抗力や体力が弱い乳幼児や高齢者が感染すると脱水や誤嚥性肺炎などになる可能性があり注意が必要です。食中毒の原因となる細菌類とは異なり、温度、湿度、栄養の3つの条件が整っていても増殖でず、少量(10〜100個)でも私たちの体内で増殖をします。以前は、牡蠣など二枚貝が原因だと言われていましたが、最近発生しているノロウイルス食中毒の多くは、調理師など調理従事者が既に感染し、手洗い等が不十分により手指から食品に汚染が拡大した事が主な原因だと考えられています。その為、食品からの感染だけでなく、人から人への感染も多いことから食品を取り扱う、飲食店・給食施設・宿泊施設・保育施設・高齢者施設・病院や人が多く集まる集客施設などでは、ノロウイルスじよる感染予防など万全な衛生管理が求められています。

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特徴

ノロウイルスは約7,500塩基を持つ、プラス鎖の一本鎖RNAウイルスに分類されるエンベロープを持たないです。形状は、直径 30-38nm(ナノメートル)の正二十面体であり、ウイルスの中では小さい部類に属します。電子顕微鏡で見たときに、その表面にコップ状の窪んだ構造が観察されることがカリシウイルス命名の由来となりました。現在、ノロウイルスに属するウイルスはGenogroup I (GI)とGenogroup II (GII)の2つの遺伝子群に分類され、さらにそれぞれは14と17あるいはそれ以上の遺伝子型に分類されています。2015年の秋から2016年の春にかけて、今まで流行していたノロウイルスの遺伝子が突然変異し、新しい種類が流行している事を川崎市と国立感染症研究所が発表しました。今まで流行している種類に対しては、ヒトも免疫力がありますが、新しい種類は免疫力も無く大流行することもあり注意を呼び掛けています。また、各遺伝子型に対応 した血清型があると考えられ、極めて多様性を持った集団として存在する。下図に構造蛋白コード領域の上流部分約250塩基の塩基配列に基づいて作成した系 統樹を示した。この領域は、後述する検出用RT-PCRプライマーG1SKF & G1SKR, G2SKF & G2SKRによって増幅されるPCR増幅産物の、プライマー部分を除いた領域である。GI, GIIに含まれる遺伝子型番号は欧米の研究者らと協議の上、Fields VIROLOGYの第4版に従ってナンバリングした。ヒトに感染するノロウイルスは、実験に必要な病原体を動物で培養する事が出来ず、人体実験で培養する事も倫理的に難しく、実験室で培養させる方法が確立されない為に研究も遅れています。特徴は、寒く乾燥した環境を得意としており、乾燥した状態でも4℃では8週間程度、20℃では4週間以上感染力を失わないとされています。 ノロウイルスの構造蛋白全領域に基づく系統樹

RT-PCRプライマーG1SKF & G1SKR, G2SKF & G2SKRによって増幅される領域のうち、プライマーの部分を除いた253塩基をDDBJのclustalWを用いてアライメントし、Kimura 2-parameterで遺伝学的距離を算出した。分岐点検定のためブートストラップ検定は1000回行い、950以上を統計学的に有意な分岐とした。系 統樹はclustalWの値に基づき、Njplotで 作成した。遺伝子型別はKatayamaら(Viology 299, p225-239, 2002)の方法に基づいて行い、遺伝子型番号についてはFields VIROLOGYの第4版に従った。*印は、VLPと免疫血清を用いたEIAで、相互に抗原性が異なることを確認済みの遺伝子型である(国立感染症研究の情報)。

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