トイレで手洗いしない人は15% 調査結果を消費者庁が公表
消費者庁の報告によると家庭で食事する前に必ず手洗いする方は、約半分の52.6%しかいないことがわかりました。この報告を多いと思う人も少ないと思う人もいるでしょう。質問の中で最も多かったのは、調理の前ですが、食事をする前の手洗いは少なく感じます。特に外食など家庭以外での食事は、手洗いをする場所やタイミングが無い事もあります、しかし、家庭においては、自分の意識で手洗いをする事が出来るにも関わらず、手洗いをしない人が多いです。日本人が手洗いをしない理由は、生活で触れる設備や環境が見た目綺麗で清潔であろうと錯覚していることが多いです。しかし、見た目が綺麗でも多くの人に触れた場所は、雑菌やウイルスで汚染されることが多いです。ノロウイルスも非常に微細なウイルスであり、見た目が綺麗そうに見えても汚染されていることがあります。
ノロウイルスの感染原因は、口から病原体の侵入をゆるす経口的な感染が多いです。ノロウイルスなど病原体が付着した手指で食品に触れ直接食べる事で食品が汚染され感染します。素手で食べる料理や食品(サンドイッチ、おにぎり、果物など)は、食べる前に必ず手洗いをするようにしましょう。どんなに清潔に作られた食品でも、手や指先にノロウイルスなど病原体が付着していたら食中毒を引き起こす可能性があります。このような理由から日本国内の飲食店を営業する際には、必ず手洗い場が必要になります。
トイレ後の手洗いの実施は約15%かがしていない
次にトイレ後の手洗いの実施ですが、15.4%の方がしていないことがわかりました。トイレ後に約15%の人が手洗いをしていなく正直かなり驚いております。手洗い実施の内訳は、小便のみ手洗いを未実施が7.3%、大便のみ手洗いが未実施が3.0%、小便・大便どちらも手洗いは実施してないヒトが5.1%です。トイレで手洗いをしないことは、自身の便が指先に付着したまま色々な場所を触れる事でノロウイルスなど病原体の汚染を広げたり、自分以外のノロウイルス患者さんの病原体を知らないうち指先が汚染する可能性もあります。もし、トイレで手洗いをしない人が食事前も手洗いをしないで食事をしているならば、ノロウイルスに感染するリスクが非常に高くなります。ノロウイルスは、感染者の下痢便1グラムあたり数億個のウイルスが含まれており、10~100個の極微量のノロウイルスを摂取することで感染します。特に不特定多数が利用する公衆便所、駅、空港、大型商業施設、病院などでは、いつ、ノロウイルスなど病原体に感染した患者さんが使用したかもわからず、ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品などが汚染されているのに気づかず触れる事で確実に指先は汚染されます。冬場のノロウイルスは、長期間感染性を維持するとされています。トイレの後に必ず手を洗うことで、手に付いノロウイルスを洗い流し、環境をウイルスで汚染するのを防ぎましょう。
トイレ後の手洗いの目的は「手の汚れを落とす」
今回の調査では、ほとんどの方が手洗いをする目的として「手の汚れを落とす」と回答していますが(89.1%)、「ノロウイルスなどの病原体の感染予防」・「汚染防止」を目的としている方は50.9%、41.0%にとどまりました。見た目で汚れていなくても、手には目に見えない病原微生物(細菌・ウイルス等)が付着している可能性があり、これらが手を介して口から体内に入ると病気になることがあります。手を洗うときには、こうした病原微生物を洗い流すことを心掛けましょう。
消費者庁は、今回の調査の目的を、例年冬季はノロウイルスを原因とする食中毒が多く発生しており、11月以降に事件数の増加が見られる。(厚生労働省食中毒統計より)また、平成26年から平成27年にかけて、国内で流行しているノロウイルスの中で従来大部分を占めていた遺伝子型GⅡ.4 からGⅡ.P17-GⅡ.17 に遷移が見られたとの報告があり、今年は大流行の可能性が示唆されている。ノロウイルスの感染予防の十分な加熱(85℃~90℃ 90 秒以上)を行うことのほか、消費者自身が正しい手洗いをすることが、最も重要です。このため、消費者の手洗い等に関する意識・行動を調査し、不適切な点を明らかにすることで、今後の食中毒予防に関する注意喚起に役立てることが感染予防で重要です。