新型ノロウイルスの症状が東京では2週連続で増加
10月26日から11月1日までの感染による児科定点医療機関当たりの患者報告数は、茨城県で前週比29%増の4.87人、神奈川県で26%増の4.87人、群馬県で19%増の4.72人、東京都で14%増の5.22人、千葉県で8%増の3.59人、栃木県で7%増の2.17人、埼玉県で3%増の4.3人と感染拡大をしており警戒を強める必要があります。東京都内では、2週連続でノロウイルス患者が増加し、特に5歳以下が全体の感染者の6割近くを占めいる。都内の保健所別では、江東区(10.11人)や大田区(10.08人)、台東(9.25人)、八王子市(8.73人)、中央区(8.0人)などで多かった。その他、茨城県のひたちなか(12.2人)と竜ヶ崎(11.67人)、つくば(10.0人)、群馬県の高崎市(11.11人)と桐生(8.8人)、神奈川県の厚木(7.91人)と鎌倉(7.33人)、埼玉県の川口(7.0人)、千葉県の松戸(7.56人)などの保健所管内でも多く警戒しています。
新型ノロウイルスが流行し警戒を強める
2015年9月26日に国立感染症研究所と川崎市は、昨年まで流行していた遺伝子タイプとは違った新型ノロウイルスが流行していることを発表しました。これは、2015年に発生した感染症を詳しく分析をした結果、従来流行していた「GII・4」型ノロウイルスが減少し、今まで確認されなかった「GII・17」新型ノロウイルスが流行しています。私たちの体は、細菌やウイルスに感染すると免疫力がつき感染しづらくなります。しかし、新型ノロウイルスが登場した事で免疫力の無い人は非常に感染しやすく厚生労働省も警戒を強めています。ノロウイルスは毎年11月頃から翌年3月にかけて流行しますので、これからの時期しっかり予防をして感染しないように注意しましょう。
ノロウイルスは11月から翌年3月まで大流行
厚生労働省が発表する食中毒統計資料によるとノロウイルス感染者は、毎年11月から翌年3月頃まで爆発的に増加します。インフルエンザ同様に寒く乾燥した環境では、不活化(死滅)するまでの期間が長くなり感染しやすくなります。感染の原因は、以前は、牡蠣などの2枚貝だといわれていましたが、主な県宣言としては、私たちの手や指先に付着して、食品などを汚れた素手で触れ直接食べることによって激しい下痢や嘔吐の症状を起こします。感染すると、おう吐や下痢、腹痛などを引き起こし、健康な人でしたら数日から1週間程度で回復をします。しかし、、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者などでは、脱水症状を起こしたり、吐しゃ物をのどに詰まらせたりして死亡するケースもありますので注意が必要です。
新型ノロウイルスと従来のノロウイルスの違い
流行が噂されている新型ノロウイルスと従来の違いは、遺伝子の構造が違うだけで症状や回復するまでの期間など大きな違いはありません。その為、ノロウイルス感染予防の原則であるノロウイルスを「つけない」「ころす」を徹底することが非常に重要です。また、インフルエンザやo157食中毒の予防で有効とされているアルコール消毒は、ノロウイルスには効果がありません。ノロウイルスを消毒できるのは、次亜塩素酸ナトリウムです。次亜塩素酸ナトリウムは、短期間に大量摂取すると毒性も強く注意が必要です。その為、次亜塩素酸ナトリウムを使用した消毒は、用量、用法を守り使用するようにしてください。次亜塩素酸ナトリウムによる消毒は、100ppmで10分、200ppmで5分が目安です。食品の消毒は、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を高くすると塩素臭く食用に不向きになります。一般的には100ppmで10分間浸漬消毒を行い、流水で洗います。
ノロウイルス感染を警戒する理由は、感染しても治療方法がない
ノロウイルスの感染を警戒しなければいけない理由は色々あります。まず、非常に感染力が強いことです。他の細菌やウイルスにくらべ発症するの必要な病原体の数は少なく、10から100個程度ので発症するといわれています。ノロウイルスは、私たちの腸内のみで増殖できるウイルスで、ノロウイルス患者さんの下痢便などからは、1グラム中に1億個、吐物には100万個のウイルスが含まれています。その為、トイレなどでは非常に感染リスクが高く注意しなければなりません。
次にノロウイルスに感染しても治療薬がない点です。ノロウイルスは、私たちの腸内のみで増殖することができるウイルスで、医薬品を開発するための実験試料として、ノロウイルスを培養することが難しいです。また、遺伝子型が様々あるため治療薬の開発ができてない状況です。その為、感染しても治療薬はなく、症状が治まるまで辛い思いをして耐えるしかありません。
ノロウイルス感染予防のポイント
ノロウイルスの消毒は、一般的な石鹸やアルコールでは効果がありません。しかし、家庭にある石鹸でも手をよくこすり、汚れを洗い流すこでノロウイルスの感染を予防することができます。手洗いのポイントは、石けんを十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗浄する。親指の付け根や指の間など普段十分に洗えない場所を丁寧に洗うことが大切です。洗う時間の目安は30秒以上、温水による流水で十分にすすぎ、ペーパータオルで水分と一緒に汚れも拭きよるように使うのがポイントです。ノロウイルスは、アルコール消毒は効かないです。誤った使用はしないようにしましょう。
ノロウイルス食中毒の予防は、十分な加熱でノロウイルスを死滅させることができます。ノロウイルスは、熱に弱く十分な加熱をすることで不活化(死滅)させることができます。加熱の目安は、食品の中心温度が85度から90度で90秒以上の加熱を厚生労働省も推奨しています。この加熱で一般的な食中毒菌も死滅させることができる温度です。(しかし、一部食中毒菌は、産生された芽胞や毒素に耐熱性があり、すべての食中毒が加熱により無毒化(消毒)できる訳ではない。)
加熱できない食材や器具などの消毒は、次亜塩素酸ナトリウムを使用します。次亜塩素酸ナトリウムは、家庭にある塩素系漂白剤です。同じ漂白剤でも酸素系漂白剤にはノロウイルスを消毒させる効果はありません。器具や食品の消毒は、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液を作り消毒します。作り置きをすると塩素成分が変わり消毒効果が薄くなりますので注意しましょう。アルコール消毒は、ノロウイルスには効果がありません。間違えないようにしましょう。
ノロウイルス治療
現在もノロウイルスに対する抗ウイルス剤は開発されておらず、感染した場合は安静にして、水分と栄養補給を十分に行い、回復を待つほかありません。予防策もワクチンがなく、感染しないように手洗いや食品の十分な加熱がポイントです。ノロウイルスは自然に治るものですから、極端に恐れる必要はありません。感染してしまったら安静にして、周囲に感染を広げないようにしましょう。