クレベリン(大幸薬品)の発表記事を抜粋
大幸薬品は12月5日、同社の除菌・消臭製品「クレベリン」の成分である「二酸化塩素分子」が、インフルエンザウイルスの感染を抑制するメカニズムを解明したと発表した。クレベリンの成果の詳細は2012年11月発行の英国ウイルス学専門誌「Journal of General Virology」に掲載された。インフルエンザウイルスの表面タンパクであるヘマグルチニンに二酸化塩素が作用すると、ヘマグルチニンに含まれるアミノ酸配列153番目のトリプトファンと二酸化塩素が反応し、このトリプトファンが別の物質に変化する。その結果、ヘマグルチニンの立体構造が変化をもたらし、宿主細胞の受容体との結合が阻止され、インフルエンザウイルスの感染が起こらないことが確認された。研究チームでは、ヘマグルチニンはインフルエンザのワクチンによって体の中にできる抗体が作用する部位であり、そこに二酸化塩素分子が反応することで、ウイルス感染が起こらなくなった今回の成果を受けて、二酸化塩素はワクチン同様にインフルエンザウイルスの感染を阻止することができるものと考えられるとするほか、今回の研究ではH1ウイルスを用いたが、強毒性インフルエンザであるH5N1ウイルスでも相同性のアミノ酸配列が確認されたとしている。なお、研究チームは今後も主要な研究テーマの1つとして、さまざまなウイルスや細菌、アレルゲンなどに対する二酸化塩素の有用性の検討をはじめ、物性の基礎的研究や安全性ならびに実生活に基づいた研究を続けていくとしている。
消費者庁は、クレベリンは効果が出る根拠がないと主張
消費者庁は、二酸化塩素という化学物質を使い、生活空間の細菌やウイルスを取り除くと表示して除菌グッズを販売していたクレベリンなど全国の17の会社に対し、消費者庁は、効果が出る根拠がないとして法律に基づき、こうした表示をとりやめるよう命じました。命令を受けたのは、大阪・西区の大幸薬品や、愛知県半田市の中京医薬品など全国の17の会社です。消費者庁によりますと、これらの会社は、販売する合わせて25の除菌グッズについて、ホームページなどに「二酸化塩素を発生させて生活空間の細菌やウイルスを取り除く」などと表示していました。これに対してクレベリンを販売する大幸薬品などは反論しており、今後の動きに注目したいとおもいます。
厚生労働省が提唱するノロウイルス予防は、加熱と次亜塩素酸ナトリウムの消毒
ノロウイルス感染予防は、食品へ十分な加熱と次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒を厚生労働省は推奨しています。加熱も次亜塩素酸ナトリウムのどちらも科学的にノロウイルスを消毒するには有効であると認められています。 次亜塩素酸ナトリウムによる消毒は、加熱できない食材や設備や私たちの体の消毒に有効だとされています。しかし、次亜塩素酸ナトリウムは、非常に刺激が強い薬品であり原液のまま使用すると肌荒れや金属の腐食などの問題があります。そのため野菜などは100ppm、設備や機材の消毒には200ppmに希釈をして使用をします。次亜塩素酸ナトリウムを噴霧して空気中のノロウイルスを消毒したらと思いつくかもしてませんが、次亜塩素酸ナトリウムを噴霧すると粘膜など弱い組織が炎症を起こし、機能障害がでる可能性がありますのでおやめください。 サルモネラ菌など他の食中毒菌同様にノロウイルスも熱に弱い性質があります。食品の中心温度85度から90度で90秒以上の加熱でノロウイルスは、死滅をします。仮にノロウイルスに汚染されていた食品だとしても十分な加熱をすることで安心して食べることができます。日頃から食品をしっかり加熱して食べる様にしましょう。
ノロウイルスの感染経路を調べると空気感染や飛沫感染は低く、手を介してノロウイルスが人から食品へ汚染が拡大し、最終的には私たちの体内に侵入することでノロウイルス食中毒を発症します。ノロウイルス予防の観点からクレベリンみたいな空気消毒は、予防を助ける補助的なものです。ノロウイルス感染予防で最も力をいればければいけないのは、食品の十分な加熱と手洗いの徹底です。