ノロウイルス食中毒の概要
平成27年11月6日(金)午前10時頃、各務原市内の事業所の社員から、「当社の社員食堂を利用した複数名が、食中毒様症状を呈した。」旨、岐阜保健所へ連絡がありました。岐阜保健所が調査したところ、11月4日(水)に各務原市内の事業所給食施設「西洋フード岐阜事業所」において、925食の食事が提供された。このうち牡蠣料理が169人に提供され、患者のいずれもが社員食堂で食事をしていました。また、聞き取り調査した82人中50人が、平成27年11月4日(水)から6日(金)にかけて、下痢、腹痛、嘔吐等の食中毒症状を呈し、うち37人が医療機関に受診していたことが判明しました。岐阜保健所では、患者らに共通する食事は西洋フードコンパスが提供した料理に限られることや患者11人の検便からノロウイルスが検出されたことから、当該施設を原因とする食中毒と断定しました。なお、患者らに入院したものはなく、いずれも快方に向かっています。
ノロウイルス食中毒の発生状況
平成27年11月4日、10時30分~、12時~、21時~の3回提供された食事で169人に提供し、うち男性46人 女性4人の50名が平成27年11月4日 16時30分 から 11月6日 15時にかけて下痢、腹痛、嘔吐等の食中毒症状があらわれました。このうち37名で病院で診察を受けました。また、岐阜保健所では、原因の詳細を調査するため患者及び調理従事者の検便、調理場等の検査を実施し、原因究明に当たっています。
ノロウイルス食中毒の原因
牡蠣とハンバーグのチゲ煮と牡蠣飯(岐阜県 推定)
原因物質
原因施設
屋 号 : 西洋フード岐阜事業所
営業者: 西洋フード・コンパスグループ株式会社
代表取締役社長 幸島武(こうじま たけし)
業 種 : 飲食店営業(給食)
所在地: 各務原市鵜沼三ツ池町6-455
得意先施設名称 : 岐阜車体工業株式会社
営業停止処分
岐阜保健所では、西洋フード岐阜事業所を平成27年11月9日(月)から13日(金)までの5日間、食品衛生法に基づく営業停止処分とした。
ノロウイルス食中毒の所見
大手集団給食会社の西洋フードコンパス株式会社によるノロウイルス食中毒であり、西洋フードコンパス株式会社は、無防備な利用者を傷つけた責任は非常に重たい。当サイトでも呼びかけているとおり牡蠣などの二枚貝はノロウイルスに汚染されやすく、特に加熱用牡蠣を調理する際には十分な加熱を徹底するよう呼びかけております。しかし、集団給食の現場では、ノロウイルスに汚染されてない生食用の牡蠣は高価で使用することができず、多くは冷凍の加熱用牡蠣であるケースが多いです。厚生労働省は、ノロウイルス食中毒などの食中毒予防のため給食など大量調理する施設向けに作成された「大量調理マニュアル」を遵守するよう呼びかけている。これは、加熱により食中毒の原因である細菌やウイルスを不活化(死滅)させることが出来ることから特に十分な加熱をするよう指導している。その為、大量調理マニュアルでは、食品の中心温度が85度から90度で90秒以上の加熱を明確に推奨し、今回も指導どおりの加熱方法が徹底されていればノロウイルス食中毒を予防することができた。しかし、西洋フード岐阜事業所の従業員の意識が非常に薄く、同社の衛生管理が徹底できてなかったことを疑うものである。少なくとも調理従事者が牡蠣はノロウイルスに汚染されている食材である認識不足、冬場はノロウイルス食中毒が流行しており十分に注意する必要があるにも関わらず大丈夫だろうと甘い気持ちがあった、基本的な衛生管理の徹底が出来てなかったことが原因でプロとしての意識が足りなかったと思われる。また、保健所の発表から随分と時間を経過しているにも関わらず、同社HPではノロウイルス食中毒の発生を報告せず(平成27年11月10日 午後11時現在)、被害者の視点からいえば会社としての謝罪の気持ちが無いようにも感じる。この様な食堂で被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。